映画の父と称される”オーギュスト&ルイ・リュミエール兄弟” 彼ら兄弟が遺した映像作品群の中から選び抜かれた映像で構成されたオマージュ作品「リュミエール!」が10月28日(土)に公開されます。リュミエール兄弟と映画「リュミエール!」について調べてみました!
映画の父”リュミエール兄弟”
映画の始まり
1895年12月28日 土曜日
パリ キャプシーヌ通り ホテル・スクリーブ・パリにあったグラン・カフェ地下1階 「サロン・インディアン」で世界最初の映画の有料上映会(入場料は1フラン、観客は35人)が開催された。その上映会でモノクロ無声ドキュメンタリーの10作品が上映されたのが映画の始まりと言われています。
「ホテル・スクリーブ・パリ」についてはコチラ!
参考 ホテル スクリーブ パリ オペラ バイ ソフィテルトリップ・アドバイザー
これらの作品を撮影したのは、「シネマトグラフ」の発明者でもあるオーギュスト、ルイ・リュミエール兄弟。特に写真が趣味だった弟のルイ・リュミエールの作品である。
リュミエール兄弟(左が兄のオーギュスト、右が弟のルイ)
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%9F%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%85%84%E5%BC%9F
オーギュスト・リュミエール(Auguste Marie Louis Lumière)
1862年10月19日~1954年10月19日 享年92歳
ルイ・リュミエール(Louis Jean Lumière)
1864年10月5日~1948年6月6日 享年84歳
上映された作品は、自社の工場の出口から出てくる労働者を撮影した『工場の出口』やオーギュスト夫妻とその子供を撮影したもの『金魚釣り』、『赤ん坊の食事』など今で言えばホームムービーのような内容の作品。
各映像は、「シネマトグラフ」に装着出来るフィルムが全長17メートル、幅35mmのフィルムのために約50秒前後の作品となっている。
「シネマトグラフ」(cinématographe)とは、1890年代に世界初の撮影と映写の2つの機能を持つ複合映写機で、リュミエール兄弟が発明。
「シネマトグラフ(cinématographe)」
出典:https://matome.naver.jp/odai/2136902456048925301
「シネマトグラフ(cinématographe)」の構造を説明した動画
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有料上映会で上映された10作品は現在、YouTubeなどで鑑賞出来ます。
リュミエール兄弟の世界最初の映画の上映会(Les frères Lumière, première projection de films.)
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1.『工場の出口』(La Sortie de l’usine Lumière à Lyon)
リヨンにあるリュミエール兄弟社の工場から出てくる従業員たち。
2.『馬芸』(Voltige)
馬に乗ろうと何度も飛び乗る人物と、それを指導している馬上の人物。
3.『金魚釣り』
庭においた金魚鉢で遊ぶオーギュスト・リュミエールの幼い息子。
4.『リヨンの写真会議への到着』
1895年にリヨンで行われたフランス写真会議(この会場でもシネマトグラフが上映されている)のために、会議場の前の船着場で船から降りる人々。
5.『鍛冶屋』(Forgerons)
田舎の鍛冶屋がふいごや金床で仕事をしている様子。
6.『庭師』(Le jardinier)
庭師がホースで庭に水をまいていると、いたずらっ子がホースを踏んづけて水が出ないようにする。庭師が変だと思ってホースを覗くと、子供が足をどけて水が吹き出し、庭師はびしょ濡れになる。怒った庭師はいたずらっ子を追いかける。俗に“水をかけられた水まき人”(L’arroseur arros) のタイトルでも知られる作品。
7.『赤ん坊の食事』
夏の午後、庭先のテーブルで幼い息子に食事をさせるオーギュスト・リュミエール夫妻。
8.『消防士の飛び降り訓練』
緊急時に高いところから毛布の上に飛び降りる訓練をする新米の消防士。
9.『コルドリエ広場』(Place des Coredeliers)
リヨンのコルドリエ広場の街頭の模様。
10.『海水浴』(Baignade de mer)
海に突き出した飛び込み台から次々に飛び込む男たち。
また、リュミエール兄弟が製作した作品の中でも特に有名な作品のひとつが『ラ・シオタ駅への列車の到着』である。
この作品を観た観客は、こちらに向かって走ってくる実物大の列車に驚き、叫び声を上げながら部屋の後方に走り出したという俗説を生むことになった。
『ラ・シオタ駅への列車の到着』
(L’arrivée d’un train à La Ciotat (1895) – frères Lumière)
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リュミエール兄弟の姓の「リュミエール(Lumière)」とは、フランス語で「光」を表す言葉。映画にとって大切な要素である「光」が、シネマトグラフの発明者の姓だったいうのも偶然ではあるが興味深い事実である。
映画『リュミエール!』の作品情報
映画『リュミエール!』予告編
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リュミエール兄弟が、1895年から1905年の10年間に製作した1422本の作品の中からカンヌ国際映画祭総代表であり、リヨンのリュミエール研究所のディレクターであるティエリー・フレモー氏が厳選した108本(上映時間90分)で構成され、4Kデジタルで修復されたリュミエール兄弟へのオマージュ作品。
19世紀末から20世紀初頭の人々の暮らし、文化を撮影した貴重な記録を4Kデジタルによって鮮やかに蘇った映像で楽しむことが出来る。
製作:
ティエリー・フレモー
ベルトラン・タヴェルニエ
監督・脚本・編集・ナレーション:
ティエリー・フレモー
音楽:カミーユ・サン=サーンス
ティエリー・フレモー(Thierry Fremaux) 1960年5月29日生まれ。57歳。 フランス南部イゼール出身。 映画監督。
映画「リュミエール!」10月28日(土)公開
映画「リュミエール!」公式サイトはコチラ!
参考 映画「リュミエール!」映画「リュミエール!」公式サイト
映画『リュミエール!』の感想
映画の原点。
YouTubeでもリュミエール兄弟の作品は見られるけれど、監督のティエリー・フレモーが厳選した108本が素晴らしい。
108本を各9章に分けて年代順、カテゴリーに分けて、監督のナレーションにより鑑賞出来るのでわかりやすい。
リュミエール兄弟の作品は、ホームシネマ風の作品ばかりだと思っていたら、もう演出もあり、コメデイ、サスペンス、リテイクなど現代の映画作品とほとんど変わりなく驚いた。本当に第7芸術(=映画)だと強く思った。
また、音楽のカミーユ・サン=サーンスが映像とマッチして素晴らしい。
最後の
「映画は皆を、世界中を楽しませ豊かにする。
これ以上の誇りはない。
ルイ・リュミエール」
の言葉が素晴らしい。
そして、最後に「最初の映画通り」のマーティン・スコセッシ監督のショットで終わる。
映画は過去から現在、そして未来へ続いてゆく。
続編も製作しているようなので公開されたら観に行きたい!
TSUTAYA TVで鑑賞
記事作成日:2017/10/26
最終更新日:2022/05/04